「適応症害」とは?【どんな症状が出るの?どう対処すればいいの?】
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こんにちは、しげひで(@shigehidesan)と申します。
私が初めて休職した時に、メンタルクリニックに行った時に診断を受けたのが「適応障害」でした。
初めて聞く病名で、何をどうしたらいいかもわからず、藁にもすがる気持ちで一生懸命調べた内容をまとめました。
病名を知らない方、適応障害の当事者の方、当事者家族の方など、少しでも参考になれば幸いです。
1.適応症害とは
適応障害は、会社や学校、特定の環境にうまく適応することができないストレスにより、心身に様々な症状が現れる精神疾患です。
環境への不安や障害が、職場不適応、登校拒否、家庭内別居、離婚などの形で現れることがあります。
適応障害とは、ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると「ストレス因*1により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています。
厚生労働省の定義によると、その人個々の様々なストレス因子によって、社会的な生活が送れない状態になっていることとされています。
1-1.原因の「ストレス」への耐性には個人差がある
ある人はストレスに感じることがほかの人はそうでなかったりと、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえます。
ストレス耐性はもちろん、物事の感じ方には個性があります。
そのため、誰かが耐えられたことがその人に耐えうるストレスなのか、というと決してそうではありません。
他人に「それは甘えではないか」「怠けではないか」「私だったら我慢する」と言われたとしても、自分にとってのストレスが普段の生活に支障をきたしている場合は、適応障害である可能性があります。
1-2.うつなどの重篤な病気の前段階となる可能性がある
また、
「ストレスが無くなってから6ヶ月以上持続することはない」とされていますが、「ストレスが慢性的に存在する場合」は、「症状も慢性に経過」
します。
ストレスが続く場合、適応障害と診断された人の40%が、5年後にうつ病と診断されるなどのデータが出ています。*2
つまり、適応障害はうつ病などの重篤な病気の一歩手前の状態であると言えます。
2.適応障害の症状
- 精神的な症状(不安・抑うつ・焦り・緊張・混乱など)
- 身体的な症状(不眠・食欲不振・全身倦怠感・多汗・易疲労感・頭痛・肩こり・腹痛など)
- 社会的問題行動(遅刻、欠勤、早退、過剰飲酒、暴食、ギャンブル中毒など)
などが、WHOが設定している診断ガイドライン(ICD-10)に記載されている症例です。
3.適応障害の治療法
まずは、メンタルクリニックへの通院をお勧めします。
治療法は様々あり、適切な治療法はお医者様へ相談することが、症状の寛解の近道になります。
www.mhlw.go.jp
通院の他に、適応障害について対処する方法として、以下の3つが主なものになります。
3-1.ストレス因の除去
ストレス因の除去とは、環境調整することです。たとえば暴力をふるう恋人から離れるために、ほかの人に助けを求めるなどがこれにあたるでしょう。
ストレス因が取り除ける、あるいは回避できるものであればいいのですが、家族のように動かせないもの、離れるのが難しいものもあります。
こうなるとストレス因の除去だけではうまくいきませんので、次のステップも必要となります。
3-2.本人の適応力を高める
ストレス因に対して本人はどのように受け止めているかを考えていくと、その人の受け止め方にパターンがあることが多くみられます。
このパターンに対してアプローチしていくのが認知行動療法と呼ばれるカウンセリング方法です。また現在抱えている問題と症状自体に焦点を当てて協同的に解決方法を見出していく問題解決療法もあります。
この認知行動療法も問題解決療法も、治療者と治療を受ける人が協同して行っていくものですが、基本的には治療を受ける人自身が主体的に取り組むことが大切です。
3-3.情緒面や行動面への介入
情緒面や行動面での症状に対しては、薬物療法という方法もあります。
不安や不眠などに対してはベンゾジアゼピン系の薬、うつ状態に対して抗うつ薬を使うこともあります。ただし適応障害の薬物療法は「症状に対して薬を使う」という対症療法になります。根本的な治療ではありません。
つまり、ストレスの原因となるものを遠ざけつつ、薬物療法、カウンセリングなどを行うことが必要となります。
環境改善、考え方、行動療法など様々な側面からのアプローチが大切で、どれか一つだけで解決するのはなかなか難しいのではないかと、実際に適応障害を罹患して感じています。
4.まとめ
- 適応障害はうつ病の前段階である精神疾患
- 環境などのストレスによって、精神的、身体的に症状が出る
- 薬物療法だけでの解消は難しい場合がある
- カウンセリング、行動療法などの実施のため、メンタルクリニックへの相談が重要
5.引用元
適応障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
病名はあるけれど、病気以前…?軽く考えてはいけない「適応障害」(からだとこころ編集部) | ブルーバックス | 講談社(1/4)
*1:個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々なものが存在しています
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html
*2:ヨーロッパでの報告によると、適応障害と診断されるのは、一般的には人口の1%といわれています。適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されています。https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html